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入館料値上げ支持6割 原爆資料館来館者50人調査 適当な金額「200円」最多 広島

 広島市が原爆資料館(中区)の入館料の値上げを検討しているのを受け、中国新聞は国内外からの来館者50人に値上げの是非を問うアンケートをした。現在の大人50円に対し、6割超の33人が値上げを支持。そのうち約7割が、適当な金額に「200円」を挙げた。

 アンケートは選択式で、7月31日と8月1日に資料館を見学後に協力を求めた。原爆資料館の2014年度の来館者の割合から10人は外国人を対象にし、米国、英国など海外7カ国と国内の来館者40人が答えた。

 「値上げすべきだ」とした33人のうち22人が、理由に「展示内容にふさわしい」を選んだ。米国の主婦レイン・ブラックリーさん(30)は「値上げに値する展示。米国をはじめ、全世界の人が来るべき場所だ」と強調した。

 さらに33人には「100円」「150円」「200円」「200円超」の選択肢から適当と考える金額を質問。長崎市の原爆資料館と同額の200円が、約7割の23人に上った。増収に伴い、市に期待する平和施策は約半数の16人が「若者の平和学習の充実」を求めた。

 入館料の回答で「現状維持」は12人で、「無料にすべきだ」は5人。計17人のうち15人は「多くの人が気軽に入館できる」を理由とした。

 見学後の感想では、全面リニューアルに伴う改修工事で東館の展示スペースが閉鎖しているのに対して「70年の節目に重ならないようにできなかったのか」との声があった。リニューアルに合わせ、被爆者の姿を再現したプラスチック人形を撤去する市方針については「被爆者の遺品をもっと充実した方がいい」「具体的なイメージをできる貴重な資料なので展示継続を」と、賛否両論があった。(菊本孟、高本友子)

原爆資料館の入館料
 大人50円で、高校生30円、中学生以下は無料。団体や高齢者への割引などがある。大人50円は1972年から変わっていない。2014年度の入館料収入は約4300万円の見込みで、ホール使用料などが加わる。ただ、指定管理料は約3億円かかっており、運営費の赤字分は市が一般財源で補っている。

(2015年8月3日朝刊掲載)

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