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核兵器廃絶へ道筋議論 原水協など 広島で世界大会開幕

 日本原水協などの原水爆禁止世界大会の開幕となる国際会議が2日、広島市中区の市文化交流会館で始まった。20カ国・地域の政府や市民団体の代表たちが、核兵器禁止条約の必要性などを3日間で議論。核兵器のない世界に向け、被爆70年を起点に取り組む行動を宣言にまとめる。

 原水協の沢田昭二代表理事(83)が、開幕に際して「核兵器廃絶を早期に実現させようとする力が、核兵器にしがみつく勢力を追い詰めている」と指摘し、活発な議論を呼び掛けた。初日は、被爆者から体験や苦難の半生を聞き、平和運動に関して意見交換した。

 2歳で被爆した山田寿美子さん(72)=広島市東区=は「原爆は、その後の人生にも苦悩を与え続けた」と強調。両親が被爆死して苦労した幼少時代や、自分の子どもの病気が被爆のせいではないかと懸念する心境を明かし「核兵器は使われてはならない」と訴えた。

 英国の反核団体「核軍縮キャンペーン」(CND)のデービッド・ウェブ議長は「他の運動との協力を深める必要がある」と提言。昨年のスコットランド独立の是非を問う住民投票に絡み、戦略核システム「トライデント」の存廃が注目された事例を紹介した。

 原水禁国民会議なども4~6日、中区などで世界大会広島大会を開催する。(藤村潤平)

(2015年8月3日朝刊掲載)

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