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[戦後70年 県北から] 素顔の禎子さん 兄語る 平和の灯 折り鶴灯籠に

 広島県三次市三良坂町で1日夕、平和のつどいがあった。町内外から約800人が訪れ、平和への祈りをささげた。

 三良坂コミュニティセンターでは、平和記念公園(広島市中区)の原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんの兄雅弘さん(74)=福岡県那珂川町=が「戦後70年目の決意」と題して講演した。

 雅弘さんは、禎子さんが家族に内緒でカルテを見て、自身の白血球の数値をメモしていたことを紹介。「禎子は恐怖や苦しみを我慢し、家族に心配を掛けないように思いやっていた」と話した。

 三良坂平和公園内の野外ステージでは、市内の中学生計21人が市平和非核都市宣言を朗読。参加者は、平和を願うメッセージカードを付けた、白いハトの形の風船を飛ばした。

 日没後、参加者は市民たちの手作り灯籠約千個に、平和記念公園の平和の灯から採った火をともしていった。原爆の子の像に供えられた折り鶴を再利用して作った灯籠のちぎり絵が暗闇に浮かび上がり、親子連れたちが見入っていた。

 野外ステージでは、禎子さんの思いをつづった曲を歌う歌手クミコさんたちによる平和コンサートもあった。(城戸良彰)

(2015年8月3日朝刊掲載)

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