×

ニュース

元教職員語る あの日の惨状 広島市中区で集い 「平和のため伝えたい」

 被爆を体験した元教職員たちでつくる「ヒロシマを語り継ぐ教師の会」(杉山武郎会長)が2日、広島市中区の県民文化センターで語り継ぐ集いを開いた。市民たち約30人が参加し、あの日の惨状や若い世代に託したい思いに聞き入った。(堀晋也)

 70、80歳代の会員6人が証言。爆心地から約2キロで被爆した鳥越不二夫さん(84)=府中町=は投下中の原爆を見たという。「思い出したくもないが、こういう実相が一番伝わる」と半袖シャツの形に残るやけどの痕をあらわにした。別の会員も太陽が割れたように見えた空、遺体に覆われた街の様子を語った。

 会は年5、6回、実体験を聞いてもらう集いを開いている。会員の河内政子さん(86)=東区=は「死んだ家族や友人の分まで、平和のために次世代に伝えたい」。参加した同区の渡辺恵子さん(82)は「苦しみや人生の重みを、いっそう実感できた」と話した。

(2015年8月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ