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長崎原爆写真「広島」と誤記 自由社の中学歴史教科書

 「新しい歴史教科書をつくる会」が主導する自由社(東京)の2012年度版中学「新しい歴史教科書」で掲載した、長崎の原爆投下時の写真説明を「広島に投下された原子爆弾」と誤記していたことが8日、分かった。自由社は近く文部科学省に訂正を申請する。

 自由社によると今月、外部からの指摘で発覚した。長崎への原爆投下時のきのこ雲を撮った写真だったが、執筆者が広島だと思い込んで説明を書いた、という。教科書は今春の教科書検定に合格。各教育委員会が来年度の教科書を選ぶための見本の段階で、使用している学校はない。

 この教科書をめぐっては、日本史の年表のほとんどを東京書籍(東京)の教科書から流用していたことが判明したばかり。自由社は「大変申し訳ない。現時点で学習上の支障はなく、写真説明を訂正する」としている。5月に発売した市販本は回収を進めている。

 文科省は「検定では明確な違いだと認識できなかった。訂正してもらい、速やかに内容を確認したい」としている。(野田華奈子)

(2011年8月9日朝刊掲載)

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