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『フクシマとヒロシマ』 子ども2人「問題なし」 内部被曝 広島大で検査始まる

 広島大は8日、福島第1原発事故で広島県内に避難している福島県民の内部被曝(ひばく)線量検査を始めた。初日は子ども2人。「ホールボディーカウンター(全身測定装置)」を使ったところ、体内の放射性物質量は問題ないレベルだったという。検査費2万円については、広島県が全額支援する方向で調整している。

 広島大病院(広島市南区)で検査を受けたのは6歳と1歳の姉妹。原発から約60キロ離れた福島市から、広島市に避難している。

 自然界の放射線を遮るため厚さ25センチの鉄板で囲った室内で、体内から出る放射線を測った。広島大原爆放射線医科学研究所の細井義夫教授(放射線災害医療)は「2人とも装置の検出限界値以下で、まったく問題はない」と家族に伝えた。母親は「安心した。多くの人が検査を受けられるような環境にしてほしい」と話した。

 広島県は、県内への避難が確認でき、広島大病院で検査する福島県民全員に対し、費用を全額支援する方針。対象者は約240人と見込んでいる。

 検査は毎週月曜日午後に行い、1日3~5人を予定する。電話予約(平日午前10時から1時間)が必要。広島大緊急被ばく医療推進センターTel082(257)5862。(下久保聖司)

(2011年8月9日朝刊掲載)

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