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「不戦呼び掛けて」 被爆者河内さん 市長に面会 平和宣言に「願い」引用 広島

 広島市の松井一実市長が被爆70年の平和記念式典で読み上げる平和宣言で、平和への願いが引用される被爆者、河内政子さん(86)=東区=が3日、市役所で松井市長と面会した。「二度と戦争を繰り返さないよう呼び掛けて」と訴えた。

 河内さんは16歳の時、牛田町(現東区)の祖母宅で被爆。爆心地から約400メートルの塚本町(現中区堺町)の自宅にいた両親と姉は被爆死し、防空頭巾に3人の遺骨を入れ、自らも死のうとした体験談を、市に2013年に寄せていた。

 平和宣言では「家族、友人、隣人などの和を膨らませ、大きな和に育てていくことが世界平和につながる」などの部分を取り入れる。河内さんは「いつも考えている言葉。日々の生活で仲良くすれば戦争にならない」と話した。

 松井市長はまた、当時12歳の動員学徒だった被爆者、三浦幹雄さん(82)=佐伯区=が昨年に寄せた「戦争は大人も子どもも同じ悲惨を味わう」との文章も引用する。(和多正憲)

(2015年8月4日朝刊掲載)

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