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禎子の願い 英語紙芝居で 安芸府中高・府中緑ケ丘中生 6日「原爆の子」像前 広島

 府中町の安芸府中高と府中緑ケ丘中の生徒が6日、広島市中区の平和記念公園にある原爆の子の像前で、佐々木禎子さんを描いた紙芝居を英語で上演する。毎年同日に演じている被爆2世の紙芝居活動家中村由利江さん(64)=同町=が「生命と平和の尊さを若い人も語ってほしい」と要請し、生徒が応えた。同中で練習を重ねている。(田中伸武)

 紙芝居は、禎子さんの一生と像の建立を物語にした12場面の「原爆の子さだ子の願い」(1994年、汐文社)。中村さんが2001年ごろから毎年演じ、同町の英語講師小柴浩美さん(55)が訳した英文でも上演する。

 担当するのは同高国際科の1~3年生8人と同中演劇部の2年生6人。高校生が本文、中学生がせりふ部分を読み、最後は全員で唱和する。授業で習っていない単語が多く、場面に合わせた情感を込めた語りも難しいが、中村さんや小柴さんの指導で練習を重ねている。中村さんと一緒に原爆資料館も訪ねた。

 同高2年河北芽依さん(17)は「英語が好きで参加した。紙芝居だけでなくガイドも務め外国人へ広島の復興ぶりを伝えたい」。同中2年尾浜愛梨菜さん(13)は「自分とほぼ同じ年で亡くなった禎子さんは印象深い。戦争をする国の人に紙芝居を通して戦争はだめだと訴えたい」と意欲を示す。

 中村さんは「像の前で生の声を使う紙芝居は思いがよく伝わる。私も体力的に厳しい年齢になってきたので、若い人が学習しながら活動を継いでくれるのはうれしい」と話す。

 6日は午前9時から午後7時半ごろまで日本語と英語を交互に10数回ずつ演じ、合間に折り鶴づくりも指導する。

(2015年8月4日朝刊掲載)

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