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[戦後70年 継承しまね] 被爆者の絵 生々しく 江津市役所ロビー 忘れない 原爆の惨状

 広島の被爆者が描いた「原爆の絵」の展示が3日、島根県江津市江津町の市役所ロビーで始まった。13日まで。

 NHK広島放送局(広島市中区)が1974年に応募を呼び掛け、翌年までに集まった2225点のうち、18点の複製を並べた。川を流れる多くの死体、抱き合ったまま焼死した親子、やけどした腕にうじが湧く少女などが生々しく描かれている。

 江津市が原爆資料館(同)から貸し出しを受けた。子どもたちにも平和の大切さを考えてもらおうと「まっ黒なおべんとう」「ひろしまのエノキ」などの絵本5点も展示した。

 同市では、原爆被爆者有福温泉療養研究所「有福温泉荘」が2013年末に閉鎖した。市は「地元で直接、証言を聞く機会は減ったが、原爆の恐ろしさを絵から感じ取ってほしい」と鑑賞を呼び掛けている。(森田晃司)

(2015年8月4日朝刊掲載)

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