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式典を政治利用」 「脱原発」首相あいさつ 湯崎知事が批判

 広島県の湯崎英彦知事は9日の記者会見で、菅直人首相が6日にあった広島市の平和記念式典でのあいさつで「『原発に依存しない社会』を目指す」と表明したことについて、「式典を政治的に利用したと疑われても仕方がない。不適切だ」と批判した。

 湯崎知事は「式典は本来、被爆者や核兵器(廃絶)について考える時間」と強調。「核兵器廃絶と方向が違う『脱原発』が注目されるのはいかがなものか。注目が集まる場で支持率上昇を狙った発言と疑われても仕方がない」と述べた。

 さらに、首相が打ち出した「脱原発依存」を「唐突だ」と批判。今後のエネルギー政策の在り方について「適切な情報開示に基づく国民的な議論が必要」と訴えた。

 湯崎知事は式典あいさつでエネルギー政策について触れなかった。「原発による放射線被害や脅威は許されることではないが、それを結び付けてしまうと『平和祈念』ではなく『脱原発』に注目されてしまうので言わなかった」とあらためて説明した。(村田拓也)

(2011年8月10日朝刊掲載)

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