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核なき世界 どう実現 原水禁など 広島で世界大会開幕

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会の広島大会が4日、広島市中区の広島グリーンアリーナで開幕した。「核と人類は共存できない」という50年前の結成理念の下、脱原発も含めて議論する。日本原水協などは国際会議を閉会し、世界大会・広島を始めた。いずれも6日まで。

 原水禁などの開会総会には、約3400人(主催者発表)が参加した。大会実行委員長の川野浩一原水禁議長は「強い確信を持ち、核も戦争もない21世紀を目指す」とあいさつ。核軍縮のほか、日本が核燃料サイクルで大量保有するプルトニウム問題などを大会の論点とする方針を確認した。

 被爆者の切明千枝子さん(85)=安佐南区=は、校庭で後輩の遺体を火葬した体験を証言。「これが戦争の本当の姿。一番苦しむのは、幼い子どもや高齢者たちで、二度とあってはならない」と訴えた。

 一方、原水協などの国際会議は3日間の討議でまとめた宣言を採択して閉会。核兵器のない世界に向けて「核抑止力論の打破が重要」と指摘し、被爆の実態を伝える原爆展を世界各地で開くよう提言した。

 続いて世界大会・広島の開会総会が中区の広島グリーンアリーナであり、約3300人(同)が参加した。ゲストの俳優宝田明さん(81)は「被爆国であり、世界に誇る憲法9条を持ちながら、平和主義をなし崩しにしようとしている」と強調。安倍政権が進める安全保障関連法案を批判した。(藤村潤平)

(2015年8月5日朝刊掲載)

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