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日韓友好の芽再び 韓国人慰霊碑そばに学生ら植樹 広島市中区

 日韓両国の大学生23人と駐広島韓国総領事館が5日、広島市中区の平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑のそばに、日韓友好と両国の平和を願って植樹をした。2011年に同様に大学生たちが植えた木が昨春に根ごとなくなったため。この日あった慰霊祭に合わせ、両国の市民を結ぶ絆を確かめ合った。

 交流を進めている韓国・高麗、早稲田、広島経済の計3大学の学生と、団長の早稲田大小田川興教授、徐張恩(ソ・ジャンウン)総領事が、マツ科の常緑樹チョウセンゴヨウの苗木をスコップで植え付けた。最初の植樹もした高麗大博士課程の文主栄(ムン・ジュヨン)さん(31)は「なくなったのは本当に残念だが、日韓友好の灯は消えていない」と話した。

 植樹後に碑前で、在日本大韓民国民団(民団)広島県地方本部が慰霊祭を開催。約280人が参列した。沈勝義(シム・スンウィ)団長が、この1年で死亡が確認された22人を加えた2711人分の死没者名簿を碑に納め、全員で黙とうした。沈団長は「証言を続ける被爆者の精神を継承し、世界の非核化に全力を尽くす」と誓った。慰霊祭は46回目。碑を公園内に移してからは17回目となった。(樋口浩二)

(2015年8月6日朝刊掲載)

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