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反戦を受け継ぐ決意 元広島二中生から東京の中学生へ 被爆証言聞き議論

 東京都羽村市と青梅市から派遣された中学生たちが5日、広島市中区の市青少年センターで、元広島二中(現観音高)2年生7人から被爆体験を聞き、「平和のためにできること」をテーマに議論を交わした。(水川恭輔)

 地元の中学生を含む44人が7班に分かれて、70年前の「8月6日」広島で何が起きたのかを聞いた。小畑彰三さん(83)=西区草津本町=は、一緒に通学していた二中1年だった故選(こせん)浩行さん=当時(12)=の最期も証言した。「学徒動員先で被爆した翌日、家に見舞うと『さようなら』と言い、約2時間後に死にました」と沈痛な表情で語った。

 中学生は机一面に広げた紙に証言を聞き取った後、意見交換。「戦争の醜さを伝える」「意見の差を話し合いで埋める」と話し合った。

 東京からの25人は、1年生が建物疎開作業に動員された本川左岸に立つ慰霊碑を訪れ、生徒344人の名前を刻む碑に花を手向けた。羽村第三中3年国枝優生(ゆい)さん(14)は、「数多くの中学生が無残に命を奪われたという証言は耳をふさぎたいくらいつらかった。『戦争はいけない』と身近な人から伝えていきたい」と誓った。

 二中1年生の原爆死を追った「いしぶみ」(70年刊)を使った平和学習と広島派遣を、羽村市は昨年から実施。当時の在学生に交流を呼び掛け、実現した。

(2015年8月6日朝刊掲載)

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