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被爆部材オブジェ展示 師範学校体育館継承の広島大 広島原爆の日

 広島大は6日、前身校の一つ、広島師範学校の被爆した体育館の部材を使ったオブジェ「あの日」を本部棟(東広島市)に展示した。原爆投下時刻の午前8時15分、教職員たち約20人が作品の前で黙とうした。

 入市被爆者で、2012年に89歳で亡くなった染色作家杉谷冨代さんが制作した。体育館の天井の梁(はり)だったマツ材8点それぞれに大人や子ども、家族の姿を描いている。同大は07年に寄贈を受け、毎年原爆の日に展示している。

 広島市の東雲町(南区)にあった師範学校の体育館は1941年建築。爆風に耐えて戦後も引き継いだが、東広島への大学の統合移転を機に解体した。

 絵画作家横井裕子さん(49)=名古屋市=は「一緒に黙とうし、心から悲しみが湧いてきた」と話していた。(新本恭子)

(2015年8月7日朝刊掲載)

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