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核なき世界へ祈りの鐘 被爆者ら死没者悼む 笠岡でつどい 広島原爆の日

 広島に原爆が投下されて70年を迎えた6日、県内でも原爆死没者を悼む式典や行事があり、参列者は核廃絶と平和を守る思いを新たにした。県内の被爆者は3月末現在で1767人。前年より116人減り、平均年齢は81.95歳となっている。(谷本和久、永山啓一)

 笠岡市では市原爆死没者鎮魂式と平和祈念のつどいが、同市笠岡のかさおか平和のひろばであった。市や市原爆被爆者会(筒井守会長)でつくる実行委員会が主催し、被爆者5人と市職員たち計約60人が参列した。

 昨年1年間で亡くなった市内の被爆者3人の名前を報告。三島紀元市長が「被爆70年を迎え、あらためて核兵器のない平和な世界の実現に努力を誓う」とあいさつした。原爆が投下された午前8時15分に全員で黙とう。参列者は平和祈念モニュメントに白菊を手向け、鐘を鳴らした後、「原爆を許すまじ」を合唱した。

 県によると、市内の被爆者健康手帳を持つ人は67人。市原爆被爆者会の会員は現在61人で15年前から半減し、平均年齢は83歳。祖父を捜して広島に入り、被爆した上小城昌昭さん(75)=笠岡市城見台=は「被爆者が高齢化し、核兵器廃絶の運動をどう継承するか真剣に考えなければ」と訴えた。

(2015年8月7日朝刊掲載)

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