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千羽鶴を手向け追悼 児童招いて紙芝居上演も 尾道・三原で式典 広島原爆の日

 広島原爆の日の6日、尾道、三原の両市でも慰霊式典が開かれた。被爆体験を基にした紙芝居など、継承に向けた取り組みもあった。若い世代も平和な世界を築くための決意を新たにした。(村島健輔、渡辺裕明、山本庸平)

 尾道市御調町の町原爆被害者協議会は、同町の御調文化会館で追悼法要をした。この1年で新たに亡くなった被爆者6人の名前が読み上げられ、参列した約50人が焼香して冥福を祈った。

 法要後、地元の御調中央小の全校児童約240人を招き、妻が同会メンバーの金野(かのう)省三さん(72)が町内の被爆者の体験手記を基にした紙芝居を披露した。御調高の生徒4人も加わり、被爆体験を聞いて描いた絵などを説明した。溝上泰会長(83)は「被爆70年の節目に若い世代に平和や命の尊さについて考えてほしい」と話していた。

 尾道地区原爆被害者の会は、同市東尾道の慰霊碑前で慰霊祭を開き、約100人が参列した。この1年で亡くなった7人を含め、会員の死没者が417人になったことが報告された。槙原弘会長(83)は「核兵器のない、戦争のない恒久平和を願っている。皆さんも一緒に頑張りましょう」と訴えた。

 三原市原爆被害者之会は、JR三原駅北側の同市本町の慰霊碑前で式典を開き、約100人が参列した。苞山(ほうやま)正男会長(86)は「70年前の悲惨な光景を二度と見たくない。被爆2世たちと一緒に考え行動していく」とあいさつ。宮浦中の生徒会9人も千羽鶴を手向けた。3年宮本健太郎会長(14)は「歴史を学び、平和の大切さを世界中に呼び掛けていければ」と話した。

(2015年8月7日朝刊掲載)

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