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空襲体験談 胸打たれる 因島の重井中で学習会 尾道

 1945年3月と同7月に尾道市因島であった空襲の記憶を継承しようと、同市因島重井町の重井中の1~3年生59人が6日、空襲を体験した人の話を聞いた。同校が体験者を招き、生徒に語ってもらうのは初めて。

 体育館で、元日立造船社員の星野正雄さん(88)=同市因島中庄町=が、70年前の7月28日にあった空襲の状況を説明した。当時18歳だった星野さんは、因島工場の作業場近くに造られた簡易防空壕(ごう)で、同僚たち30人以上が圧死していた光景を今も思い出すという。

 拾って保管している機銃掃射の銃弾を見せながら、「家族のように親しかった同僚や後輩を一瞬で失った。二度と残酷な戦争が起きないよう、平和の尊さを伝えてください」と呼び掛けた。3年桑田貴行さん(15)は「空襲についてほとんど知らなかった。平和のために家族や友人を思いやることから始めたい」と話した。

 この日は、校外学習の一環で6月に広島市中区の平和記念公園を訪れた1年生8人も、同公園の慰霊碑などについて発表した。(新山京子)

(2015年8月7日朝刊掲載)

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