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原爆テーマにラジオドラマ 「十円玉の神様」9日放送 RCC福山で活動の市民グループ

 中国放送(RCC)の福山放送局(福山市北美台)を拠点にオリジナルのラジオドラマ制作を続ける市民のグループが、被爆70年に合わせ、初めて原爆をテーマにした15分間の作品を収録した。9日朝、RCCラジオの番組で放送される。

 タイトルは「十円玉の神様」。現代を舞台に、主人公の男性が、亡くなった知り合いの高齢女性の家を訪ね、女性の人生を知るストーリー。女性は原爆に夫を奪われ、身ごもっていた子も失っていた。戦後の女性の心の描写に「十円玉」が重要な役割を果たす。グループの会長を務める会社社長松本隆さん(56)=福山市千田町=が脚本を担当した。

 グループは2006年、市民主体のラジオドラマ制作を目指す同放送局の呼び掛けで約10人で結成。朗読などの技術を磨き、09年4月に初めて作品が放送された。

 10年4月以降は月1回、ラジオ番組「びんご朝市!井戸端ラジオ」のコーナーで放送されている。現在は福山市や広島市の会社員、主婦、高校生たち約20人が活動。「十円玉の神様」はことし7月に収録し、9日は午前7時15分に始まる同番組内で流される。

 松本さんは「あの日を語り継ぐことが義務という思いが湧き上がった。もう70年ではなく、まだ70年。絶対に忘れてはならないと感じてもらえれば」と話している。(福田彩乃)

(2015年8月7日朝刊掲載)

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