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在外被爆者・遺族も参列 広島原爆の日式典 被爆70年事業で市が招く

 被爆70年記念事業で広島市が招いた在外被爆者や在外遺族の代表が6日、平和記念式典に参列し、援護充実を求めると共に、海外での体験継承への思いを新たにした。

 米国、ブラジル、韓国在住の10人。ブラジル被爆者平和協会の森田隆会長(91)は「日本が再び戦争をしないか、サンパウロから心配している」と話し、「武力に依存しない安全保障」を訴えた松井一実市長の平和宣言に大きくうなずいた。

 原爆症認定の審査を急ぐとした安倍晋三首相の式辞も一定に評価しつつ、「心情を在外被爆者にも向けてもらい、帰国しないと国内の被爆者と同等の治療が受けられない格差を解消してほしい」と願った。

 米国広島・長崎原爆被爆者協会の据石和会長(88)は「あの日の悲しい暑さがよみがえる」と黙とうで目頭を押さえ、「平和を守るため、米国でも若い人たちに経験を伝え続けたい」と話した。(馬場洋太)

(2015年8月7日朝刊掲載)

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