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米軍のへリ音で馬暴走 女性が落馬し骨折 廿日市 昨年6月

 廿日市市吉和地域の乗馬クラブで昨年6月、上空を通過した米軍のヘリコプターの音に驚いた馬が暴走し、乗っていた女性が落馬して鎖骨を折る大けがをしていたことが19日、分かった。広島県によると記録が残る1997年以降、米軍機の飛行に伴い、けが人が出たのは初めて。

 中国四国防衛局(広島市中区)は米海兵隊岩国基地(岩国市)と協議。日米地位協定に基づき日米両国が被害者に補償金を支払う方向で調整している。

 防衛局や県などによると、昨年6月9日午前、廿日市市飯山のMRC乗馬クラブ練習場の上空をヘリが通過。その際、人を乗せた複数の馬が暴走し南区の50代女性が落馬した。

 男性指導員(47)は「練習場南西の山側から突然、バリバリという大きな音とともにヘリが飛び出した。乗務員の人影がはっきり分かるほどの低さで飛んでいた」と話す。

 クラブから相談を受けた市が防衛局に連絡。防衛局が米軍のヘリと確認した。米軍側はヘリの所属や飛行目的を明らかにしていないという。

 県によると、米軍機の飛行が原因の事故はこれまでに、旧東城町(庄原市)と旧大朝町(北広島町)で2003年、民家の屋根の太陽熱温水器のガラスが破損した2件があるという。(村田拓也)

(2011年8月20日朝刊掲載)

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