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戦争は駄目 ゲンの願い 作者中沢さん 沼隈で講演

 漫画「はだしのゲン」の作者中沢啓治さん(72)=埼玉県所沢市=が20日、福山市の沼隈図書館で講演した。約150人を前に、原爆と戦争への怒りと平和の大切さを訴えた。

 爆心地から約1.2キロの旧神崎国民学校で被爆した。「腕の皮膚が垂れ下がり、足の皮膚を引きずって歩く人であふれた。幽霊の行進のようで地獄だった」と証言。父と姉と弟が大破した自宅の下敷きになり、叫びながら亡くなった。その声が忘れられず、苦しみ続けた母の話も紹介した。

 漫画家としての苦労や、作品に込めた思いも語り「どんなことがあっても戦争は駄目だと主張してほしい」と呼び掛けた。西小6年藤井友音さん(11)は「生の声を聞いて、戦争がどんなに怖いか想像できた。この気持ちを友達や家族に伝えたい」と話していた。(迫佳恵)

(2011年8月21日朝刊掲載)

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