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ドーム破片をチェコに寄贈 広島大「後世に伝える教材に」 設計者ヤン・レツルの母国

 広島大は6日、広島市中区の原爆ドーム(旧県物産陳列館)の一部とみられる破片3点を、同館を設計した建築家ヤン・レツルの母国チェコへ贈った。南区の同大医学資料館で贈呈式があった。

 花こう岩でできた3階のひさしの飾り部分(重さ約80キロ)と、れんがやコンクリート製の壁面の一部。原爆瓦などを市内の川から拾い集め、海外へ贈っている同大大学院生嘉陽礼文(れぶん)さん(37)が、ドームそばの元安川から2013~14年に引き揚げ、同館で保管していた。

 この日、越智光夫学長(63)が、同国のヤン・ハマーチェク下院議長(36)に目録を渡した。越智学長は「原爆被害や核兵器の恐ろしさを後世に伝える教材として活用してほしい」。ハマーチェク議長は「ヤン・レツルの古里や下院議事堂で展示し、平和を願うヒロシマの思いを広めたい」と話した。(加茂孝之)

(2015年8月7日朝刊掲載)

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