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平和への思い新た 慰霊式や反核の火リレー 広島原爆の日の島根県内

 広島市に原爆が投下されて70年となった6日、島根県内でも犠牲者の追悼式や関連行事があった。(森田晃司、西村萌、川井直哉)

 江津市有福温泉町の地域コミュニティ交流センターは、原爆死没者追悼式を開いた。2013年末に閉鎖した原爆被爆者有福温泉療養研究所「有福温泉荘」で毎年開いていた式を引き継いだ。

 近くの児童10人が祭壇に折り鶴をささげ、午前8時15分に黙とう。住民らと同荘の写真や伝言ノートを見て、被爆者に思いをはせた。川波小5年の和崎有桜(ありさ)さん(11)は「原爆についてしっかり勉強する」と決意した。

 県原爆被爆者協議会などは午前8時から、松江市学園南1丁目の原爆慰霊碑前で慰霊式。被爆者と被爆2世計17人が参加した。松江市原爆被爆者協議会の小林敏雄会長(91)が「悲劇を風化させないよう2世、3世へ継承しよう」とあいさつし、献花した。

 広島市中区小網町で被爆し、父と妹を亡くした松江市淞北台の寺島智恵子さん(73)は「戦争のない世界になったことを、墓前に一日も早く報告したい」。父が被爆した会社員深木春美さん(51)=同市幸町=は「2世として語り継ぐ活動を」と誓った。

 広島市中区の平和記念公園の「平和の灯」で採火したトーチを手に県内を巡る県反核平和の火リレーは、松江市の県庁に午後3時50分ごろゴール。7月30日に津和野町を出て、延べ約250人が計約420キロを走った。

 到着式でアンカーの益田市職員、三浦詠美さん(34)たちが、非核三原則の法制化や安保関連法案の廃案を政府に働き掛けるよう求める要請書を県の担当者に渡した。三浦さんは「被爆70年の重みを感じて走った」と汗を拭っていた。県内の労組などでつくる県青年女性平和友好祭実行委員会の主催で29回目。

 浜田市役所前では、石見地区労働組合協議会の約60人が「戦争法案反対」の看板を掲げ、座り込みをした。

(2015年8月7日朝刊掲載)

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