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核兵器不使用へ被爆者が役割 米国務次官が講演

 広島市で6日にあった平和記念式典に出席した米国のローズ・ガテマラー国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)は7日、東京都内で講演した。核兵器が70年間使われなかったことに関して「広島と長崎の被爆者が悲惨な体験を伝え、重要な役割を果たしてきた」と語った。

 ガテマラー氏は、広島の学校などで若い世代に被爆体験が継承されていることに感銘を受けたとし、「二度と核兵器を使わないためには、恐ろしい結末を知ることが必要だ」と指摘した。

 米政府高官として初めて出席した平和記念式典について「被爆者だけでなく子どもたちが出席し、哀悼の意を表しているのに心を揺さぶられた。『平和の鐘』が打たれた瞬間は忘れられない」と振り返った。

 核兵器については「オバマ大統領は永遠に不使用を続けなければならないと明確にしている。不使用を削減につなげることが求められる」と述べた。

 ガテマラー氏は講演に先立ち、キャロライン・ケネディ駐日大使と外務省を訪問。岸田文雄外相と面会し、核軍縮・不拡散分野で日米間の協力を深める考えを伝えた。

(2015年8月8日朝刊掲載)

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