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ホロコーストの悲劇、記憶の継承策探る デュトワさんと高校生ら 広島市中区

 世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチの次女でホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を研究する米アリゾナ州立大准教授のアニー・デュトワさん(44)が7日、ホロコーストを学ぶ欧州スタディーツアーに参加した中国新聞ジュニアライターの高校生、大学生計5人と意見交換した。悲劇の記憶を受け継ぎ、平和を築くための方法を話し合った。

 母の演奏会出演のため広島市を訪れ、ヒロシマとホロコーストを結び、被爆地の若者と平和について考えたいと希望。広島交響楽団の主催で、中区の中国電力本社ホールで、約170人を前に語り合った。

 デュトワさんは、5月に欧州の若者とアウシュビッツ強制収容所跡(ポーランド)を訪れたプロジェクトについて説明した後、意見交換。ジュニアライターの高校2年鼻岡舞子さん(17)から「被爆者やホロコースト生還者の証言を後世に伝えるにはどうすべきか」と質問され、「録音するなどして記録し、自分に近い人がいなくなる意味を肌で感じてほしい」と答えた。

 ジュニアライターの高校3年河野新大(あらた)さん(18)の「(差別につながる)不寛容な心をなくすには」の問いには、「自分と違う人と接触して受け入れ、周囲から変えていくべきだ」と話した。大学生からは「平和を担う若者の役割は」などの質問を受けた。(山本祐司)

(2015年8月8日朝刊掲載)

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