×

ニュース

核なき世界へ道筋議論 広島でAPLN会議開幕

 アジア太平洋地域で核兵器削減を目指す国際有識者組織「核不拡散・核軍縮アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク」(APLN)の会議が7日、広島市南区のホテルで2日間の日程で始まった。出席者の一部は8、9の両日に同ホテルで県が開く円卓会議「ひろしまラウンドテーブル」にも参加。核のない世界への道筋づくりなどについて識者が議論する。

 APLNは、日本とオーストラリアが主導した「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」のアジア太平洋版の後継組織として、2011年に設立。大学教授や元政治家たちで構成している。14年度、広島県の湯崎英彦知事もメンバーに加わった。広島での会議開催は初めて。

 会議は冒頭を除いて非公開で、日本とオーストラリアをはじめ、核兵器保有国の中国、インド、パキスタンなど12カ国の元外相や元首相たち計23人が出席した。湯崎知事は「皆さんのような世界のリーダーが広島を訪れ、何が起きたかを見て感じてもらうことは重要。実りある会議にしたい」とあいさつした。

 初日は4、5月に米ニューヨークであった核拡散防止条約(NPT)再検討会議の結果を踏まえ、核軍縮と核不拡散、核物質の安全管理の展望について意見を交わした。

 8日に始まる円卓会議は、APLN会議の参加者の一部を含む5カ国13人が、核兵器の非人道性と安全保障をテーマに討議する。9日に閉幕した後、両会議の参加者が記者会見し、成果を発表する。(松本恭治)

(2015年8月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ