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特攻隊の歴史 50人学ぶ 江田島 証言聞き慰霊碑を見学

 戦時中、江田島市江田島町の幸ノ浦に置かれていた水上特攻隊の元特攻兵の証言や、被爆者を救護した人の体験を聞くフィールドワークが7日、現地であった。原爆の悲惨さに関心を持つ元教師竹内良男さん(66)=東京都=が、戦争と平和について考えようと企画、約50人が耳を傾けた。

 参加者は広島湾を望む幸ノ浦にある旧陸軍船舶練習部第十教育隊慰霊碑を見学。黙とうに続き、近くの集会所で部隊に所属していた和田功さん(89)=広島市中区=と土屋圭示さん(87)=笠岡市、碑を管理する橋本静之さん(84)=江田島市=から話を聞いた。

 和田さんは「秘密部隊として扱われ、部隊で1636人が亡くなった歴史を知ってほしい」と訴えた。原爆投下直後、救護に向かった土屋さんは「『死んでもいいから水をください』と言った人の声が耳に残る。原爆は凶器だ」と語ると、うなずく参加者もいた。

 碑ができた1967年から管理に携わる橋本さんは「地元でも碑の存在を知る人が減った。これを機に少しでも当時を知る人が増えてほしい」と願っていた。(貞末恭之)

(2015年8月8日朝刊掲載)

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