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核軍縮 指導者に訴え APLN・円卓会議終了 広島

 アジア太平洋地域で核兵器削減を目指す国際有識者組織「核不拡散・核軍縮アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク」(APLN)会議と、広島県主催の円卓会議「ひろしまラウンドテーブル」は9日までに、それぞれ2日間の日程を終えた。APLNは核軍縮・不拡散への提言を盛り込んだ「広島宣言」をまとめ、政治指導者に行動を取るよう要請した。

 APLN会議は7、8の両日、円卓会議は8、9の両日に広島市南区のホテルで非公開で開催。オーストラリアのギャレス・エバンス元外相や広島県の湯崎英彦知事たち両会議の出席者計12人が9日の会議終了後、記者会見した。

 広島宣言は核軍縮・不拡散に向けた広島の継続的な取り組みを支持し、「全ての世界の政治指導者や核関連の政策者は広島の経験を共有すべきだ」と被爆地を訪れる必要性を指摘。保有や製造を含む核兵器禁止条約の採択に向け、まず使用を禁止する条約の交渉に入るよう求めるなど23項目の具体的な行動を明記した。

 湯崎知事は会見で「県が主張してきた政治指導者の被爆地訪問が盛り込まれ、大変意義深い」と述べた。

 一方、円卓会議について東京大大学院の藤原帰一教授(国際政治)は、中国との領土問題や北朝鮮による核開発の動きを踏まえ「東アジアでの核政策」を議論したと報告。核兵器の抑止力に頼る安全保障政策の妥当性や、偶発的な戦争を防ぐための仕組みづくりについて参加者が研究を深め、来年度の会議で研究結果を踏まえた提言をまとめる考えを示した。(松本恭治)

(2015年8月10日朝刊掲載)

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