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社説・コラム

『この人』 陸上自衛隊第13旅団長に就任した 西浩徳さん 隙ない態勢確立へ団結

 「安全保障法制の議論が繰り広げられる中、自衛隊への期待はさらに高まる。各種事態への迅速で実効的な対応が求められる」。4日付で陸上自衛隊第13旅団(広島県海田町)に着任した。

 被爆都市としての市民意識がある地域だが「いろんな意見の人を含めた国民を守るのが任務」と言い切る。着任に先立ち広島市の平和記念公園と護国神社を訪れた。

 管轄する中国5県には約3400人の隊員がいる。初訓示では「災害派遣や有事の増援など中国地方に隙のない防衛警備態勢を確立させる。与えられた編成と装備で任務を遂行するため、挑戦、徹底、団結を」と呼び掛けた。旅団がモットーとする毛利元就の教え「百万一心」にも共感。「隊員が心を合わせれば旅団は強くなる」

 熊本県出身。社会科教員を志したが、友人に誘われ腕試しで受験した防衛大に合格。両親が後押しした。楽しくて性に合っていると感じたという。入隊後、国防意識がさらに強まったと自覚する。

 これまでに戦術教官など教育担当や、装備計画など予算に携わる任務に就いた。2011年の東日本大震災の時は統合幕僚監部で隊員を被災地に集める作業に当たった。「いざというとき、自衛隊に対する国民の期待がいかに大きいか痛感させられた」

 趣味はロードバイク。野球やサッカーの経験はないが「広島に赴任した以上はカープとサンフレッチェの応援も」と地域に気を配る。埼玉県の自宅を離れ、妻(54)、三男(19)とともに海田町の官舎で暮らす。(田中伸武)

(2015年8月11日朝刊掲載)

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