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被害者救済へセンター 福島第1原発 東電との和解仲介

 東京電力福島第1原発事故の賠償をめぐり、東電と被害者がトラブルになった場合などに和解を仲介する「原子力損害賠償紛争解決センター」(東京都港区)が29日、開所した。

 同センターは、被害者救済を迅速化するのが目的。賠償範囲の目安となる指針を策定している文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の下に新設され、東京のほか9月半ばには福島県郡山市にも拠点を置く。出席した高木義明文科相は「被災者に親身になって、いい解決ができることを期待している」とあいさつした。

 元東京高裁判事の大谷禎男弁護士を委員長とする「総括委員会」が、被害者からの仲介申請を引き受けるかどうかなどを決定。受理した場合は、日本弁護士連合会などから派遣される約100人の弁護士らが「仲介委員」となり、個別事案ごとに和解案を提示し、原則3カ月程度での合意を目指す。不服があれば、被害者は裁判手続きで解決を目指すことになる。

 紛争審査会にはもともと和解を仲介する機能があるが、今回の原発事故は被害者の数が膨大で申請が殺到する可能性があるため、文科省は7月に政令を改正し、機能を強化することにした。

 センターは9月1日から仲介申請の受付を開始。フリーダイヤル(0120)377155。(山本慶一朗)

(2011年8月30日朝刊掲載)

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