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「平和憲法 最良の習慣」 作家の大江さん 講演で護憲訴え

 ノーベル賞作家の大江健三郎さんが東京都内で講演を行い、「民主主義と平和憲法は、日本人が70年間持ち続けてきた最良の習慣だ。この習慣を守り抜きたい」と語った。

 子どもの本の専門店「クレヨンハウス」が主催する「夏の学校」に講師として招かれた大江さんは、「人生の習慣」と題して講演。米国の作家フラナリー・オコナーの「芸術の習慣」という言葉を紹介しながら「人間というものは、良い習慣を学ぶことで、自分を一番良い方向へもっていこうとするものです」と説明した。

 その上で「日本人の大切な習慣である平和憲法が、これから1、2年の間に平和憲法といえないものになってしまうのではないか」と指摘。「人間にとって一番本質的なモラルとは、自分たちが生きてきた環境を、次世代に引き継ぐことだ。次世代のために、民主主義と平和憲法を絶対に守らなければならない」と静かな口調で訴えた。

(2015年8月12日朝刊掲載)

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