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海外大学生集うセミナー10年 広島大が企画 平和考えるプログラム 10ヵ国12大学 最終日は模擬国連

 国際的な大学ネットワークINU(事務局・米国ジェームズマディソン大)の加盟校の学生が広島大(東広島市)に集う夏のセミナーが、ことし10回目を迎えた。各国の学生がともに平和を考える約1週間のプログラムを通し、地球市民としての意識を養う。広島大は「10年の積み重ねが学生の成長と大学の国際化に役立った」とする。(新本恭子)

 セミナー最終日の11日。広島大生25人を含む10カ国12大学の計56人が、東広島キャンパスで模擬国連総会を開いた。平和構築における女性の立場を規定した実際の国連決議を踏まえ、各国代表に成り切り議論した。

 セミナーは5日始まり、南アフリカ、スペインなど加盟校の教員が企画したワークショップなどが続いた。広島大経済学部3年寺沢朗さん(21)は「積極的に発言できた。ただ海外の学生との差を感じ悔しさも残った。また参加したい」と話した。

 INUは1999年設立。広島大は2000年に加盟し、夏のセミナーは同大の企画で06年始まった。昨年まで延べ578人(海外は181人)が参加。平和記念式典参列や被爆体験聞き取りは必ずプログラムに入れる。

 西谷元(はじめ)副学長は「広島大生は広島にいながら海外に行ったような学びや交流ができる。セミナー参加を機に長期留学に挑んだ学生もいる」と効果を指摘する。加盟校が短期留学の学生を受け入れてくれるケースもある。

 10年目のことしは、加盟校の学長級によるサミットも開いた。

(2015年8月12日朝刊掲載)

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