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島根原発 1月に全停止 2号定検重なる 火力稼働などで対応

 中国電力の島根原子力発電所(松江市鹿島町)が来年1月以降、全て停止する。稼働中の2号機が来年1月に定期検査入りし、停止中の1号機は、国のストレステスト(耐性評価)の1次評価を1月以降に実施する。ほぼ建設を終えている3号機も運転開始の見通しが立たず、原発の稼働なしに冬場の暖房需要期を迎える。

 中電は昨夏にも点検不備問題を受けて島根原発が全て停止し、火力発電の稼働や他社受電を増やして対応した。今回も電力不足に陥る可能性は低いが、原油購入費などが同社の収益を大きく圧迫する。

 原発の全停止は、停止中の1号機を運転再開できないため。再開には、国が求める安全性を総合的に評価するストレステストの実施が必要。中電は12月末までに2次評価を実施し、その後に1次評価を行うとしている。

 また点検不備問題を受けた再発防止策なども含め、住民理解を得る必要がある。島根県は1号機について、原子炉の老朽化の分析も必要としており、早期再開は難しい状況だ。

 2号機は来年1月下旬に運転を停止し、定期検査には通常2カ月以上かかる。今回はストレステストも実施する。一方、建設中の3号機は当初、今年12月の運転開始を目指していたが、炉心に制御棒を挿入する駆動装置の点検の遅れなどにより、運転開始時期が見通せない。

 1、2号機の出力は計128万キロワットで、中電の発電量の10~15%を賄っている。中電は「少しでも早く島根1、3号機を動かしたいが、運転開始時期は見通せない状況」としている。(永井友浩)

(2011年9月1日朝刊掲載)

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