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ペルー・アルゼンチン被爆者 きょう初の提訴

 国外居住を理由に被爆者援護法に基づく健康管理手当の受給権が認められず、精神的苦痛を受けたとして、ペルーとアルゼンチンに住む被爆者計5人が、1人当たり120万円の慰謝料などを国に求める訴えを2日、広島地裁に起こす。

 これまでに米国など8カ国1地域の被爆者が全国で起こしている集団訴訟の一環。ペルーとアルゼンチンの被爆者は初めて。

 原告代理人によると、ペルーの原告は81歳の男性1人で、アルゼンチンの原告は66~86歳の男女4人。いずれも広島市か長崎市で被爆後に日本を離れ、被爆者健康手帳を持っているという。

 5人は、国外居住は手当受給権を失うとした1974年の旧厚生省通達で援護の対象外にされたと主張。2003年に通達が廃止されるまで「精神的苦痛を被った」と訴える。

 2日はほかに、米国在住の被爆者2人も広島地裁に追加提訴する予定という。

 在外被爆者をめぐっては、通達を違法とした最高裁判決が07年に確定。国は裁判所が認定した被爆者と順次和解し、慰謝料などを支払っている。(山本乃輔)

(2011年9月2日朝刊掲載)

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