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ヒロシマ象徴「祈りの手」 広島市中区で浦田さん写真展

 8月6日の朝、広島市中区の平和記念公園にある原爆慰霊碑に訪れる人たちの「祈りの手」を撮り続ける写真家の浦田進さん(39)=写真・東京都練馬区=の写真展が12日、中区袋町のギャラリー718で始まった。23日まで。無料。

 老いて深くしわが刻まれた手や幼子の小さな手のほか、学生服やスーツ姿で手を合わせるシーンなど、あらゆる世代の祈りを捉えた32点を展示。いずれもモノクロで、2009年以降、原爆の日に慰霊碑の前で撮影した。

 浦田さんは06年の原爆の日に初めて広島を訪れた。以来、毎年訪問し、老若男女が慰霊碑で祈る姿に心を動かされた。平和への強い意志や深い悲しみを映す「祈りの手」がヒロシマの象徴と感じ、焦点を当てて撮影を始めたという。

 被爆70年に合わせ、初めて広島での写真展を企画した。浦田さんは「それぞれの祈りの意味を感じ取ってほしい。そして日常的に『あの日』を思い起こして」と話している。午前10時~午後7時。最終日は午後6時まで。(高本友子)

(2015年8月13日朝刊掲載)

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