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[戦後70年 継承しまね] 成人式の会場であす記録写真展 硫黄島で15年間遺骨収集 雲南の小池さん

 太平洋戦争末期の硫黄島で父を亡くし、定年退職後に15年間遺骨収集を続けた雲南市三刀屋町の小池満さん(80)が14日、同市が三刀屋文化体育館アスパルで開く成人式会場で、自らの収集活動を記録した写真展を開く。

 旧陸軍歩兵第21連隊(浜田市)所属だった父茂市さんは、1944年2月に39歳で硫黄島に赴いた。終戦後、死亡が通知されたが、遺骨は戻らなかった。

 小池さんは退職後の99年、「父が亡くなった島を見たい。骨や手掛かりが見つかるかも」と厚生労働省の遺骨収集活動に応募。約2週間滞在し「肉親のつもりで本土に戻し供養してあげたい」と地下壕(ごう)などで丁寧に骨を探した。水の確保に苦労した生活を思い、見つけた骨に水を供えた。

 年齢制限で最後となった2014年3月まで通算14回参加。父の遺品や遺骨は発見できなかったが、300枚以上写真を撮影した。

 3年前から市戦没者追悼式で写真を展示。戦後70年のことしは、成人式会場での開催が決まった。10枚程度を選んで展示する。

 成人式は午前10時から。小池さんも訪れ、説明する。「硫黄島を知らない若者もいる。亡くなっても故郷に帰れない人をつくり出す戦争の実態を伝えたい」と話している。(西村萌)

(2015年8月13日朝刊掲載)

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