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[戦後70年 県北から] 惨状語る品々 三和で紹介 原爆被害者の会収集 世相を映した雑誌や作文も 三次

 広島県三次市三和町の市三和支所で、町内外から集めた太平洋戦争や原爆に関する資料を展示している。戦後70年に合わせて三和町原爆被害者の会が企画。展示をきっかけに、戦争にまつわる品の提供をさらに呼び掛ける狙い。展示は31日まで。(城戸良彰)

 同会は、6月上旬から会員を中心に収集を開始。集まった約100点のうち、スペースの関係で20点を選び7月1日から展示している。会長の時丸卓爾さん(83)は「三和では、戦争の恐ろしさを知る資料が少ないのが気掛かりだった」と話す。

 広島原爆の爆心地から約1・5キロで高熱にさらされ表面が泡立った陶製の茶器、表紙に水兵と戦艦が描かれた農家向け雑誌…。ショーケース2台に並ぶ品からは、原爆のすさまじさや戦中の世相がうかがえる。

 「撃沈」「敵軍」などの文字が並び、当時の軍国教育が分かる漢字の書き取りなども陳列。「米英撃滅の心をかためた」などと記した作文を提供した時丸さんは「国のためと信じ、疑問は感じなかった。こんな時代は二度ときてほしくない」と力を込める。

 同会は今後も、資料や情報の提供を受け付ける。資料は同会が保管し、町内での常設展示を目指している。時丸さんTel090(7994)1802。

(2015年8月14日朝刊掲載)

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