×

ニュース

野田首相「原発新設難しい」 上関住民 評価と疑問

 野田佳彦首相が原発新設を「現実的に困難」と述べた2日、中国電力が原発建設を計画する山口県上関町に波紋が広がった。

 反対派の拠点となっている祝島の住民団体「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の清水敏保事務局長は「福島原発の事故を踏まえれば当然の判断だ」と評価。「新規建設が許されるわけがない。首相は言葉を今後もしっかり守ってほしい」と求めた。

 推進派の町議でつくる原電推進議員会の右田勝会長は「事故を収束させ、原因究明を終えて判断するべきことだ。代替エネルギーの確保や経済への影響など全体を見ていない」と疑問を呈した。「いずれ発言は見直される。国に推進を働き掛ける」と強調した。

 野田首相は2日の会見で原発新設について「建設予定は14基あるが、新たにつくるのは現実的に困難だと思う」と発言。14基には上関原発1、2号機のほか、完成間近の島根原発(松江市)3号機も含まれる。中国電力は「具体的な説明がなくコメントできない」としている。(久保田剛、永井友浩)

(2011年9月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ