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身近に残る戦争の傷跡活写 高嶋さんが写真展 出雲の2会場

 出雲市斐川町の写真家、高嶋敏展さん(42)が身近に残る太平洋戦争の傷跡を紹介する写真展を2会場で開いている。松根油採取や滑走路のあった旧海軍大社基地跡。古里にもあった戦争を問う。

 同市大社町の吉川商店では17日まで、出雲大社前の神門通りの松並木に残る松根油採取の跡を62枚展示。石油の代替燃料として戦争末期、注目された松根油供出へ、松ヤニを採ろうと幹に付けた無数の傷が今も残る。

 雲南市加茂町の保育士、渡部裕輝さん(29)は「見慣れた町に戦争に関わりがあった松があると気付いた」と見入っていた。

 出雲市斐川町の斐川文化会館では18日まで旧海軍大社基地跡などの写真48枚を展示する。両会場とも無料。

 高嶋さんは高校時代、授業で松根油を知り、2006年から県内で撮影を続ける。戦後70年に合わせ2会場で写真展を企画。「日常にある戦争の跡を平和を願うきっかけに」と話す。高嶋さんTel090(3638)5700。(西村萌)

(2015年8月15日朝刊掲載)

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