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戦争体験「今」問う絵筆 広島出身の長尾さん・夫の山下さん 18日まで東京で2人展

 広島市出身の画家長尾祥子さん(81)=東京都世田谷区=が、夫の山下宏さん(84)との2人展を都内のギャラリーで開いている。それぞれに原爆や戦争の記憶を扱った約40点が並ぶ。18日まで。

 学童疎開中で被爆は免れたが、父を原爆症で亡くし、間もなく上京した長尾さん。近作の「極私的広島地図」は、記憶に残る古里の風景の断片で画面構成した。「戦争の影に覆われた時代だった。再現させてはいけない」と語る。

 山下さんも、愛媛県で終戦を迎えた時の記憶や、ヒロシマをテーマにした絵などを出品した。日本の象徴を描いた「富士山」は、空を星条旗が覆っている。

 展覧会の副題は「70年目の8月」。自らの体験から今を問う作品群だ。会場は新宿区西新宿のヒルトピアアートスクエアTel03(3343)5252。(道面雅量)

(2015年8月15日朝刊掲載)

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