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社説・コラム

『書評』 郷土の本 第二楽章 ヒロシマの風 長崎から 次代に語り継ぐ被爆地の詩画集

 原爆詩の朗読をライフワークにしている、俳優の吉永小百合さんが編者を務めた詩画集「第二楽章 ヒロシマの風 長崎から」=写真=が刊行された。以前、広島、長崎に分けて出版されていた2冊の詩画集をまとめた。

 「ちちをかえせ ははをかえせ」で始まる、詩人峠三吉の原爆詩集の「序」をはじめ、原民喜「水ヲ下サイ」、栗原貞子「生ましめんかな」など広島を代表する原爆詩20編を収録。長崎からは、原爆詩人福田須磨子の「母を恋うる歌」など5編を載せている。

 「第二楽章」のタイトルには、原爆の惨禍と平和への願いを、次世代に語り継いでいこうとの思いが込められているという。

 挿絵は、アニメ映画「となりのトトロ」など、スタジオジブリ作品で美術監督を務めた男鹿和雄さん。英訳も付けた。

 126ページ、2700円。スタジオジブリ。

(2015年8月16日朝刊掲載)

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