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連載・特集

レンズはとらえた戦後70年 ひろしまフラワーフェスティバルの誕生 1977

花と平和に125万人興奮

 1977年5月3日、花と平和の祭典「ひろしまフラワーフェスティバル(FF)」が産声を上げた。平和大通りをメーン会場にした3日間のイベント。1年目の来場者は125万人を数えた。75年10月に大通りであった広島東洋カープのV1達成パレードの興奮が帰ってきた―。中国新聞は当時の様子をそう伝える。

 参加型のパレードに人気歌手や芸人、市民団体などのステージ、沿道に並ぶ屋台の数々…。広島に初夏の訪れを告げるイベントとしてすっかり定着し、黄金週間中、全国有数の人出を数えるイベントに育った。

 FFは祈りの祭りでもある。シンボルである花の塔には毎年、平和記念公園内の平和の灯(ともしび)が点火される。平和に感謝するとともに、世界にヒロシマの願いを発信する。祭りは2016年、40回の節目を迎える。

 国内では、76年7月、田中角栄前首相(当時)が逮捕され、ロッキード事件が大きなヤマ場を迎えた。77年9月には、プロ野球巨人の王貞治選手が通算756号の本塁打を放ち、世界記録を打ち立てた。また同月、日本赤軍が日本航空機を乗っ取ったダッカ事件も発生した。(村上昭徳)

(2015年8月19日セレクト掲載)

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