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原爆絵本 児童が読み聞かせ 防府

 防府市の玉祖小の5年生2人が19日、広島市で被爆した同世代の子どもの作文と原爆を題材にした絵本、詩の読み聞かせを防府市戎町のアスピラートで披露した。市原爆被害者の会が、この日から同所で始めた原爆パネル展に合わせ企画した。

 世良咲里(えみり)さん(11)と難波江真琴さん(10)が会員や来場者を前に、広島で被爆した女児が小学5年生になり、原爆で亡くなった母親への思いをつづった作文などを読み上げた。作文などは県原爆被爆者支援センターゆだ苑(山口市)で選び、今月上旬から2人で練習してきた。

 世良さんは防府市原爆被害者の会の千恵会長(70)の孫で、難波江さんを誘った。世良さんは「平和のありがたみと原爆の怖さを伝える助けになりたい」、難波江さんは「ゆだ苑で被爆者の写真やぼろぼろになった服を見て怖いと感じた。被害の実態が伝わってほしいと思った」と話した。

 パネル展では岩国市原爆被害者の会から借りた写真などを含めた約60点を展示し、20日午後3時まで。千恵会長は「当時の記憶が十分にある被爆者が少なくなった。若い世代への継承に力を入れたい」と話し、20日には自ら絵本の朗読をする。(柳岡美緒)

(2015年8月20日朝刊掲載)

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