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広島で5000人被爆の韓国・陜川  平和公園建設へ広島市民ら募金活動

■記者 森田裕美

 広島市への原爆投下で、5000人近い出身者が被爆したといわれる韓国・慶尚南道陜川(ハプチョン)郡の平和公園建設計画を支援しようと、広島の被爆者や市民有志が15日、準備委員会を設立した。現地の取り組みに連動し、募金などを展開する。

 準備委は、被爆者で広島共立病院名誉院長の丸屋博さん(83)や広島市立大広島平和研究所の浅井基文所長(67)たちが呼び掛け、共同代表8人でスタート。韓国の国会議員の動きをにらみ、韓国原爆被害者協会と調整しながら、具体的な活動日程を決め、「ハプチョン世界平和公園建設に協力する会」(仮称)を発足させる。

 韓国では、原爆被害者協会陜川支部や国会議員を中心に2005年ごろから、陜川への公園建設を目指す動きがある。協会の計画によると、公園は10万平方メートルで事業費は日本円で約40億円。陜川支部には2007年8月現在、642人が加入している。

 1910年の日韓併合以降、日本の植民地政策で土地を失った朝鮮半島の人々は仕事を求め、あるいは強制連行され、次々と日本に渡った。陜川からは多くの農業従事者が広島に渡り被爆、家族や財産を奪われ戦後帰国した。

 広島市役所で会見した丸屋さんは「多くの韓国人が原爆の犠牲になった事実を忘れてはならない」としている。

(2008年8月16日朝刊掲載)

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