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被爆証言継承は私たちが担う 宇部で平和イベント NPT取材 ジュニアライター発表

 平和イベント「原爆被爆・終戦70年によせて 命のバトン」(山口県被団協やコープやまぐちなど4団体による実行委員会主催)が21日、宇部市で開かれた。米ニューヨークの国連本部で今春開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議を取材した中国新聞ジュニアライターの高校生2人がリレートークで発表した。

 高校2年二井谷栞さん(16)と高校1年溝上希さん(16)。「次世代への継承~子どもたちと一緒に考える平和」をテーマにしたセッションに登壇し、国連本部の会議場や取材風景の写真をスクリーンに映しながら約20分間、現地で感じ、考えたことを話した。

 溝上さんは「会議を見て世界の政治を動かしているのは人間だと分かった。核兵器の非人道性、信頼関係構築の重要性を訴えていけば政府の人の心、そして世界を動かせるのでは」と提案。二井谷さんは「被爆証言を直接聞ける最後の世代として、被爆者の声に耳を傾け発信を続ける。核兵器廃絶ができないかもしれないからやらないのでなく、できるかもしれないからやる、という気持ちで活動していく」と決意を述べた。

 イベントには約160人が参加。コープやまぐちキッズピースサポーターの小学生2人による周南市の回天記念館見学の報告や、被爆者の体験講話もあった。

 4歳の時に入市被爆した林三代子さん(74)=防府市=は「私たちの思いが若い人に伝わっていてうれしい。これからも語り継いでいく励みになった」と話していた。(二井理江)

(2015年8月22日朝刊掲載)

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