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広島城と陸軍の歩み探る 城内で企画展 防空作戦室の模型も

 広島城と陸軍をテーマにした企画展が広島市中区基町の城内で開かれている。原爆による広島壊滅の第一報を伝えたとされる中国軍管区司令部の防空作戦室にまつわる資料を軸に約50点を展示。「軍都広島」の視点で平和を考える。9月6日まで。

 防空作戦室跡は広島城本丸の一角に残る。図面など資料がないため昨夏から建物の構造を調査した。35分の1サイズの模型などを展示し「100キロ程度の爆弾を直接投下されても十分耐え得る構造」と説明している。

 司令部の松村秀逸参謀長や、空襲・警戒警報の伝達業務に動員され、第一報を伝えたとされる岡ヨシエさん(84)=中区=の手記も紹介。「軍事秘密」と朱書きされた被害記録や米軍が上空からばらまいたビラなども並ぶ。

 愛知県瀬戸市から訪れた高校1年高石実花さん(15)は「広島城に戦争の歴史があることに驚いた」と資料に見入っていた。

 広島市文化財団広島城が主催。大人370円、65歳以上と高校生180円、中学生以下無料。23、30日は午後2時半から防空作戦室跡のガイド付き見学会がある。(鈴中直美)

(2015年8月22日朝刊掲載)

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