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演劇で伝える原発事故 広島出身の山神さん、古里で熱演 29日

 広島市安佐北区安佐町鈴張の出身で「劇団仲間」に所属する俳優山神友恵さん(33)=東京都=が29日、西区横川新町の西区民文化センターで、福島第1原発事故をテーマにした演劇「空の村号」に出演する。「事故を忘れないでほしい」との思いを込める。(中川雅晴)

 福島県飯舘村が舞台。原発事故での避難指示をきっかけに、かわいがっていた牛との別れを余儀なくされた酪農一家の苦悩を子ども目線で伝える。

 山神さんは事故後に外で遊ばなくなった主役の妹役を演じ、「頭の中にいつも放射能という重たい石が入ってしまったみたい」などのせりふを担当する。

 演劇を始めたのは、中学1年のころ。安佐北区民文化センターを拠点に活動している市民劇団「ミュージックシアターASAKITA」に出演したのがきっかけだった。舞台で観客を魅了する楽しさを感じ、大学で演劇を専攻。卒業した2005年春に劇団仲間に入り、全国で公演している。

 山神さんは「全村避難した住民の思いを伝え、今なお原発事故で苦しむ人がいる福島の現状を多くの人に知ってもらいたい」と話す。午後6時開演。全席自由で2800円。広島公演実行委員会Tel080(1641)0388。

(2015年8月22日朝刊掲載)

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