×

ニュース

人命や生活 守る方策は 被爆70年・広島土砂災害1年で企画 研究者や大学院生ら議論

 自然災害や核被害から命や生活をどう守るかを考えるシンポジウム「人の平和と安全」が22日、広島市中区の広島大東千田キャンパスであった。被爆70年と広島土砂災害1年の節目に合わせ、同大法科大学院が企画した。

 研究者や大学院生約30人が参加した。同大平和科学研究センターの友次晋介准教授は、核兵器を自国の安全を守る抑止力とする保有国の政策や核実験による健康被害などを紹介し「国家の安全保障は、個人の安全や平和を脅かす面もある」と指摘。「便益とリスクをどう分配し、引き受けるかを真剣に議論すべきだ」と述べた。

 同大大学院社会科学研究科の堀田親臣教授は、災害被災者の住まいの確保など法律的な課題を説明。「具体的な対応に加え、まずは被災者が抱える悩みに向き合う姿勢が大切だ」と強調した。

 7人のパネル討論では「少数がリスクを抱える構図は、原発や沖縄の基地問題にも共通する」「個人が政策形成にもっと関わるべきだ」などの意見が出た。(山本洋子)

(2015年8月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ