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ヒロシマの知恵 被災地に フクシマでの支援報告

 チェルノブイリ原発事故や福島第1原発事故の被害者の支援を続ける府中市の市民団体、ジュノーの会(甲斐等代表)が10日、同市府川町の市文化センターで集会を開いた。市内や福山市、東京都、京都府などの約20人が参加した。(大野達寛)

 甲斐代表は8月下旬、講演のために福島第1原発から約60キロの福島市を訪問した。「放射性物質を防ぐマスクを市民が着用せずに歩いているのを見てショックを受けた」と現地での関心の低さを報告した。

 会は原発事故以降、梅干しやみそ、ドクダミ茶など、広島の被爆者が民間療法で取った食品を福島市のNPO法人に送る。甲斐代表は「ヒロシマの知恵をフクシマに届けたい。今は見えなくても放射能の被害は将来的に現れる。未来のために無料健診や無料治療制度をつくらなくてはならない」と訴えた。

 参加者からは「放射能被害の実態をフクシマにも正確に伝えることが大切だ」などの声が出ていた。  ジュノーの会は1988年、チェルノブイリの被曝(ひばく)者を支援しようと発足した。会の名前は原爆投下後の広島で被爆者救護に尽力したスイス人医師マルセル・ジュノー博士(1904~61年)にちなむ。

(2011年9月11日朝刊掲載)

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