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社説・コラム

『きらり人』 岩国の戦争被害などについて本の出版を準備・柴田晃尾さん=岩国市 

若者らの視野広げたい

 「岩国の軍事化と戦災」をテーマに本をまとめている。岩国市の岩国駅周辺など1945年の度重なる空襲について、「千人以上が亡くなった戦禍を調べ、記録したい」と強調する。

 元高校の社会科教諭。終戦から10年後の55年、平生町の熊毛南高に勤務していた当時、生徒とともに、45年8月14日の光海軍工(こう)廠(しょう)(光市)の空襲で犠牲になった同校生徒の遺族に聞き取りし、冊子「追悼」を作った経験がある。

 母校の岩国高にも勤務。72年、空襲などで亡くなった生徒の慰霊碑の建立にも携わった。「岩国市全体の戦争被害に関心が向いた」と言う。退職後は、市史の執筆にも関わった。

 川下地区の海軍基地建設の経緯、学校の軍事化、岩国の空襲被害などを研究している。「生きている間に高校生にも読めるような本に仕上げたい。戦争の歴史を知り、広い視野を持ってほしい」と話している。(増田咲子)

(2015年8月25日朝刊掲載)

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